芸術にふれる 演劇 ①

Microsoft Word - 文書 2 (2)先日、演出家くすのき燕さんをお迎えして、7月に鑑賞したポーランドと日本の合同制作「PORY ROKU 4つの季節の物語」の感想交流会を行いました。3ヶ月以上もたってるからみんな覚えているかな?なんて心配していたけど、どんどん感想がでてきてうれしい😊

三角形だけで表現されているのに、花も太陽も山も鳥も登場してくるすべてのIMG_7201ものが豊かに表現されていて物語を感じられたことにビックリしたとか カラスの椅子取りゲームを子どもたちは楽しんでいたとか カラスの椅子取りゲームではくちばしが武器に変わったとか 楽器などの音色がセリフのように感じられたり、歌がとても場面にあっていてよかったとか 子どもたちは、家でさっそく三角遊びを繰り広げていたとか エトセトラ・・・
そうだな?
単純な形って、人それぞれにイメージが描けて楽しいな。考える余白が多い感じ。
三角形という制限があると窮屈に感じるけど、意外に発想が広がっていくんだとみんなで発見しました。こんな発想の転換って、普段の暮らしにも役立つよね。
演出家くすのきさんも
「僕もルールの中で、作っていくのが好き。お客さんに分からないことががあるのもいいと思っている。だって、みんな謎々すきでしょ。」
うーむ、なるほど🙄
どうしてなんだろ?って謎解きを考えるのは楽しい。普段は考えないことを考えさせてくれる芸術鑑賞会。それにしても、劇場に足を運ぶ親子は本当に少ない。値段が高いとか時間がないとか来れない理由はいろいろあると思いますけど・・・。クリスマスも近いことですし、子どもたちのプレゼントに、一度、劇場に来て見ませんか?モノより思い出♪

燕のちょっと長いひとりごとー

僕のかかわる作品の客席には多くの子どもたちが座ってくれます。うれしい事です。「芝居を観れば、いい子に育つ。」なんて、物事は単純ではありません。子どもたちは、家や学校はもとより、この複雑な社会の中で育っているわけですから。しかし一方、芝居を観ないで育ってしまうというのは、とても残念な事だと思います。『人間がつくったものの中で素晴しいものベスト10!』、少なくともベスト20ぐらいを挙げれば、舞台というものは、必ずその中に入ってくるもの。それを知らずに育つというのは、いかにももったいない。芝居のない人生なんて味気ない。芝居のある生活の方が、圧倒的に豊かな人生だ。そんな風に思います。

『ゆいの会』の主催で、僕は年に数回、小児科病棟での上演をさせていただいています。この会は、全国の病院で闘病中の子ども達へ、プロのパフォーマンスを楽しんでもらうと目的でつくられた会です。そこで出会った子どもたちの中には、僕の人形劇が、人生でただ一度の演劇体験となってしまう子もいます。それは本当に残念で悔しい事です。でも、もしこの活動がなかったら、その子は人形劇、演劇というものと出会わずに一生を終えた。その一回が、僕の芝居でよかったどうかという事はさておき、人形劇というものを体験した事は、彼らの人生を少しだけ豊かにしたのではないかと思うのです。(勿論、そのような子ばかりではありません。元気になって、僕の公演にわざわざ足を運んでくださった親子もいらっしゃいます。本当にうれしいひと時です。)

演劇を観るという中で、想像力や感性が育つ。そういう側面も勿論あります。この事は、もっと声を大にして、世間に伝えるべき事なのだろうと考えています。しかし、ずっと単純に「芝居は人生を豊かにする」という事、そのものの意義を、評価してもいいのではないかと考えています。この国が豊かになろうと頑張ってきたのは、子どもたちを塾に行かせるためやゲームを楽しんでもらうためではなかった。そんな気がします。

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