2017年9月10日(日)18:30開演(上演65分) 百花プラザ
「ちがう、ちがう!」「あっち、あっち~!」 オオカミとキツネのトランプ遊びの場面で響き渡る子どもたちの声。舞台と客席がフラットなせいもあり、一体感と盛り上がりはこれまでで一番だったかも!?
絵本「おれたち、ともだち!」(内田麟太郎:作 降矢なな:絵)は既刊12作の大人気の絵本シリーズ。ユーモアたっぷりでいて、じーんと奥深いおはなしと絵に原作ファンが多い作品です。劇団うりんこの「ともだちや あいつもともだち」は【ともだちや】【あいつもともだち】【ともだちごっこ】の3冊をモチーフに、お芝居ならではの演出が随所に見られました。
原作にはないきこりたちと木の精が森へと誘い、木の精のユニークで派手な動きに目を奪われていると、ラッパーみたいにラジカセ肩に登場するオオカミにまたびっくり。親分肌のオオカミを女優さんが演じ、わがまま女子のテンを男優さんが演じるのも意外性があって大ウケでした。
「ともだち いちじかん ひゃくえんで~す」と、おなじみの口上で登場するキツネや親分肌のオオカミの衣装は絵本のイメージに忠実。舞台背景はとても美しく、ほぼ手づくりだそうです。本番前にほころびた背景布を針と糸で補修する姿もありました。
登場者の分かりやすいキャラクターに、「いるいる、あんな子」と誰もが思ったことでしょう。そして、友達のいる楽しさ、約束を破った時のばつの悪さ、仲直りの嬉しさも。 オオカミとキツネが交代し、互いの気持ちを知るという場面も思いを分かち合うメッセージが感じられました。
終演後、舞台は交流会場へと変わり、子ども達からの雨あられの質問に、うりんこの皆さんがじっくり答えてくださいました。そんな好奇心いっぱいの子どもたちの様子を、下見に来られていた鳥取おやこ劇場の方から「すごいですね!」とほめていただきましたよ。
会場を盛り上げたのは劇場スタッフ手作りの消しゴムはんこ。その出来栄えの良さにスタンプコーナーは大人気でした。