2015年12月18日(金)18:45-20:15 百花プラザ多目的ホール
語り手の役者さんが物語の始まりを告げます。やがて森の番人ルグランの人形に変身して、ステージの上につくられた緑のプロセニアムの小さな舞台にスッと入っていき人形劇が始まりました。そこは野獣ベトウが住む魔法の森・・・・まるで本の扉表紙をパァーと開いたように、観客は一瞬で物語世界に入り込みました。ドラマティックな展開と趣向を凝らした演出が、1時間30分の上演時間を感じさせることなく一気に見せてしまいます。
また、物語を生きる人形たちはどれも個性的で魅力的です。とりわけベルの美しさと圧倒的な存在感は私たちの心に大きく印象づけられました。ほんとうのお人形を見ると「あれっ!こんなに小さいの?」と思えるほど。原作にはない登場人物プチとペペは小さな子どもや男の子たちをキチンと物語世界へ連れて行ってくれました。
おわりは、夢のようなハッピーエンド♥ 小さな舞台で人形たちが演じるお芝居は高揚感ではく、一冊の名作を読み終えたような、じんわりと優しい感動で観客を包みました。蹴込み舞台の人形劇にこだわるひとみ座さんの思いが伝わる作品でした。