ティコボのがらくたコンサート3

  山口ともさんからのみなさんへ

ティコボチラシJPEGみなさん、こんにちは。山口ともです。突然ですが、今の世の中は「使い捨て」「その場限り役に立てばよい」というものがあふれていますよね。本来、物が持つ価値が破壊されている気がしてなりません。私たちひとりひとりが確かな精神を持って、物を需要供給していかなくては不用品は増え続ける一方だと思います。「リサイクル」がうたわれ、意識が高まりつつもそれも「楽しんで」やっていかなければ、長続きはしないでしょう。

そこで、僕が「楽しんで」取り組めることといったら身近にある不要品を利用し、そのものの持っている音を引き出す、ということでした。もちろん、これは結果的にこのような形になっていたのですが。この地球上の物にはすべて音があります。普段楽器としては使われていないものたちの音は雑音にしかとらえていないことが多いですが、僕がガラクタ音楽会では、それを楽器として加工し新たな音として誕生するのを観客と一緒に発見し、音に対する意識を高めていけばと思っています。壊して再利用するのではなく、その物を以下に楽器にするか。発想次第でどんな物にでも変身してくれます。これが楽器にかかわらず、みなさんが他の利用方法を発見することに繋がっていけば、こんなうれしいことはありません。

そしてもう一つ。音楽は勉強して譜面が読めないとしてはいけない、と捉われがちですが私の演奏会ではもっと音楽というものを身近に感じてもらい、自由に音を楽しんでもらうため、そのままの自分の感性で叩けば音楽になる楽器作りを目指しています。私の廃品楽器たちは、見た目の格好のよさも大事にしています。

ワークショップなどで楽器を作製していると想像もしなかったような音が出てくることがよくあります。廃品楽器作りはそこがおもしろい。結果の分からないもののおもしろさ、これは遊び心があればあるほど大きく膨らみます。こうして生まれた楽器たちの様々な音は聞く人に色々な想像をかき立て、想像力を養う手助けにもなっていることと思います。

心に余裕を持ち、心地よい音を聞き分ける耳を持ってほしいと願っています。

音を楽しむのが音楽、器の音を楽しむのが楽器、それを楽しむのが人間。僕はそんなことを思いながらガラクタ音楽会を開催しております。

廃品打楽器協会会長 山口とも 拝

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