子どもたちは暗闇の中から現れ、武器をぶっ放し金銀財宝を略奪するどろぼうを恐れ、金銀財宝が放つ光の魅力を味わい、そしてひとりの女の子の逞しさと悲しさに心を寄せ、終わりに見た輝く虹色の世界を美しいと感じたことでしょう。また演じている人も子どもたちの反応と響きあい、ムテキの3人組がステキに変身するシーンでじんわりと拍手が沸き起こったことに感動していらっしゃのでした。
ステージ空間に置かれたのは、正方形の舞台だけ。そこは、森であり、どろぼうの住処であり、子どもたちが幸せに暮らす街になる。無駄のない演技と光・音・色彩などが紡ぎあって作りだされる世界は、観ている子どもたち、大人たちをいつにでもどこにでも連れて行ってくれます。劇場の中のファンタジーは今生きる私たちに問いを投げかけ、歩むべき道を考えさせます。未来をつくるのは私たち。そのことをお芝居に託しながら30年間、バトンをつないできたんだなあと感じました。
サプライズプレゼントまで用意していただき、本当に幸せな30周年記念公演になりました。鳥の劇場のみなさん、ありがとうございました。