わらび座 ミュージカル「セロ弾きのゴーシュ」報告

IMG_09342019年5月11日(土)18:30開演

百花プラザ  参加 200名

孤独で自信のない粗野なセロ弾きのゴーシュ。夜中、自宅に訪ねてくる動物たちとのレッスンを通して音楽テクニックを身に付け、ついには心のこもった音楽を奏で、セロ奏者としても人としても成長をを手にする物語。
原作を少し脚色し、ゴーシュの育ちのエピソードに厚みを持たせてあるおかげでスムーズに感情移入できました。

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役者さんは3人ユニットとは思えないほど何役も演じ、歌い、踊ります。スピード感のある展開に加え、聴かせる所は聴かせ、メッセージもユーモアも織り込んで飽きさせません。今回はわらび座の特徴でもある民舞の要素を取り入れた踊りがとても新鮮かつ好評でした。

 

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劇中、狸といっしょに太鼓をたたく子を会場から募り、客席も一体。

 

劇中コンサートのアンコール場面の拍手が自然と会場から沸いたのも、さすが見慣れている劇場っ子たち。
舞台と客席の掛け合いこそ、生の舞台の醍醐味。見せてもらうだけでなく、一緒に舞台を作っていると改めて感じることができました。

 

みんなの感想より                                               ・ えんぎがとても大きくて見やすかったです。そして、歌もとてもきれいですごかったです。一つ一つの役がらがとても似ていて、おもしろかった。                            ・ どんなふうにゴーシュに気持ちの変化を表現していくのか楽しみに見させてもらいました。最初は下を向いていたゴーシュも最後はしっかりと前を見ていました。大切なメッセージがいっぱいつまった劇でした。たった3人と舞台セットでくりひろげられる迫力のあるストーリーに釘づけでした。                                                     ・ 3人の歌声がとてもきれいで、特に最後の3人のうたが合った所は感動しました。        ・ 色々な音があって、楽しかったです。太鼓にあわせてぼくもまねをしました。 歌や声など一つ一つがきもちがこもっていて、とてもよかったです。12月までがんばってください。
・ ゴーシュはとても大変なときもあったけれど、あきらめないでつづけなければきっと上手にできると思っていて、本当になったので、あきらめないことは大切だなと思いました。
・とてもゆかいでおもしろかったです。個人的にすきです。 歌にもパフォーマンスがあったステキだった。                                                    ・ 3人の舞台とは思えないほどの歌唱力でした。舞台芸術がとてもきれいで素敵でした。ユーモアもたっぷりで楽しかったです。これからも夢を沢山の子どもたちに届けてください。
・ おんがくのひょうげんがとてもよかった
・ たぬきのところがいちばんおもしろかったです。
・ さいごのきょくがだいたんだった。
・ 今回の劇を見て、ゴーシュの成長が見れて良かったです。自分もゴーシュ(最初の方の)に似ていたので、最後の方のゴーシュのようになりたいです。
・ すばらしかった。かっこよかった。
・ いろいろなことをゴーシュがまなんでよかった。さいご、すごくいいことになった。

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今回は芥子山エリアの有志たちがプレゼントを贈りました

芸術にふれる 演劇 ①

Microsoft Word - 文書 2 (2)先日、演出家くすのき燕さんをお迎えして、7月に鑑賞したポーランドと日本の合同制作「PORY ROKU 4つの季節の物語」の感想交流会を行いました。3ヶ月以上もたってるからみんな覚えているかな?なんて心配していたけど、どんどん感想がでてきてうれしい😊

三角形だけで表現されているのに、花も太陽も山も鳥も登場してくるすべてのIMG_7201ものが豊かに表現されていて物語を感じられたことにビックリしたとか カラスの椅子取りゲームを子どもたちは楽しんでいたとか カラスの椅子取りゲームではくちばしが武器に変わったとか 楽器などの音色がセリフのように感じられたり、歌がとても場面にあっていてよかったとか 子どもたちは、家でさっそく三角遊びを繰り広げていたとか エトセトラ・・・
そうだな?
単純な形って、人それぞれにイメージが描けて楽しいな。考える余白が多い感じ。
三角形という制限があると窮屈に感じるけど、意外に発想が広がっていくんだとみんなで発見しました。こんな発想の転換って、普段の暮らしにも役立つよね。
演出家くすのきさんも
「僕もルールの中で、作っていくのが好き。お客さんに分からないことががあるのもいいと思っている。だって、みんな謎々すきでしょ。」
うーむ、なるほど🙄
どうしてなんだろ?って謎解きを考えるのは楽しい。普段は考えないことを考えさせてくれる芸術鑑賞会。それにしても、劇場に足を運ぶ親子は本当に少ない。値段が高いとか時間がないとか来れない理由はいろいろあると思いますけど・・・。クリスマスも近いことですし、子どもたちのプレゼントに、一度、劇場に来て見ませんか?モノより思い出♪

燕のちょっと長いひとりごとー

僕のかかわる作品の客席には多くの子どもたちが座ってくれます。うれしい事です。「芝居を観れば、いい子に育つ。」なんて、物事は単純ではありません。子どもたちは、家や学校はもとより、この複雑な社会の中で育っているわけですから。しかし一方、芝居を観ないで育ってしまうというのは、とても残念な事だと思います。『人間がつくったものの中で素晴しいものベスト10!』、少なくともベスト20ぐらいを挙げれば、舞台というものは、必ずその中に入ってくるもの。それを知らずに育つというのは、いかにももったいない。芝居のない人生なんて味気ない。芝居のある生活の方が、圧倒的に豊かな人生だ。そんな風に思います。

『ゆいの会』の主催で、僕は年に数回、小児科病棟での上演をさせていただいています。この会は、全国の病院で闘病中の子ども達へ、プロのパフォーマンスを楽しんでもらうと目的でつくられた会です。そこで出会った子どもたちの中には、僕の人形劇が、人生でただ一度の演劇体験となってしまう子もいます。それは本当に残念で悔しい事です。でも、もしこの活動がなかったら、その子は人形劇、演劇というものと出会わずに一生を終えた。その一回が、僕の芝居でよかったどうかという事はさておき、人形劇というものを体験した事は、彼らの人生を少しだけ豊かにしたのではないかと思うのです。(勿論、そのような子ばかりではありません。元気になって、僕の公演にわざわざ足を運んでくださった親子もいらっしゃいます。本当にうれしいひと時です。)

演劇を観るという中で、想像力や感性が育つ。そういう側面も勿論あります。この事は、もっと声を大にして、世間に伝えるべき事なのだろうと考えています。しかし、ずっと単純に「芝居は人生を豊かにする」という事、そのものの意義を、評価してもいいのではないかと考えています。この国が豊かになろうと頑張ってきたのは、子どもたちを塾に行かせるためやゲームを楽しんでもらうためではなかった。そんな気がします。

4つの季節の物語 PORY ROKU 公演無事終了!

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ロビーに作ったマグネットの三角形で自由に遊べるコーナー

4つの季節の物語 PORY ROKU                                    7月29日(日)18:30~百花プラザ多目的ホール

台風12号の影響で「4つの季節の物語 PORY ROKU」 公演は開催できるのか!それとも中止か?と悩まされましたが、おかげさまで無事に開催することができました。

ポーランド・ポズナン市のテアトロアニマツィからやってきてくれた3名(マルチェル・オラ・・マルチン)&日本人クラウンましゅ&keiの5名が繰り広げる言葉のない三角形ワールド。

 

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三角形で何でも表現できることに、まずは驚きです。全体を包みこむマルチェルのギターと、彩りを与えるオラのトランペットやましゅ&keiの笛など鳴り物もそれぞれの場面にマッチしていました。表現される世界を受け取れる会場のみんなの想像力があればこその協働作業です。

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夏の海のシーン。この後海中にもダイブ!

 

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コウノトリはポーランドでは誰もが知る鳥。恋のシーンが素敵でした!

舞台が野に山に海にと場所を変え、植物や生き物の感情さえも表現していきます。ポーランドの役者さんたちはそれぞれに立ち姿や動きが素晴らしく、声量もあって会場に響き渡りました。小柄なましゅ&keiは細やかな動きやしぐさや表情が印象的。それぞれ個性が異なるオリジナルキャスト5人の組み合わせの妙を感じます。

ありがとうをポーランド語で「ジンクイエ」。教わったこの言葉を、こどもたちはしっかり覚えていて終演後に書いてくれた感想の中にも「ジンクイエ」がいっぱい!

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ロックミュージックに合わせたはカラスの争いのシーン。カラスが銃へと変わり緊張感が広がりました。この作品製作当時のポーランドの移民問題を取り入れたと聞いています。

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劇場の子どもたちからのプレゼントをもらって。

2017年のおわりに

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ともだちや/劇団うりんこ

2017年がもうすぐ終わります。ふり返ってみると今年はNPO法人になって15周年記念の年。3月「ピアニカの魔術師」5月「怪じゅうがまちにやってきた」6月「糸による奇妙な夜」7月「走れ!メロス」9月「ともだちや」10月「KKOYOマイムライブ」11月「おひさま劇場」12月「オペラ銀のロバ」なんと8作品を上演し、まさに舞台鑑賞会祭りでした。
観てくださった皆様、創造団体の皆様、ほか支えていただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。
2018年も充実したラインナップで、子どもたちはもちろん、すべての人々に質の高い舞台鑑賞会を届けていきたいと思います。来年は5日から事務所開き、2018年もよろしくお願いします。